はじめに
今年の「PyCon JP 2025」は、初めての地方開催として広島で開催されました!
2025年9月26日(金)〜28日(日)の3日間、広島国際会議場にて開催され、今年のテーマは 「あつまれPythonのピース」 です。

私たちは今回、「広島県に本社または支社を持つ企業限定」の特別プランであるフラワースポンサーとして参加し、ブースを出展しました。
当日はブースを通じて多くの参加者の方々と交流することができ、広島開催ならではの温かい雰囲気の中で、Pythonコミュニティの広がりと熱気を肌で感じることができました。
今回はイベントを通して特に自分の中で印象に残った3本のセッションについて書いてみます。
Hello, satellite data! ~Pythonではじめる衛星データ解析~
衛星データをもとに地理空間情報を画像として可視化して、解析をしてみるという内容のセッションでした。
タイトルに惹かれ、自分の興味関心からこのセッションを見ていたのですが、実際に誰でも簡単に衛星データを用いて地理空間情報の可視化や解析を行うことができることがわかりました。
便利なライブラリも揃っており、APIも無料で公開されているため、Pythonを少し勉強すれば自分でも地理空間情報の解析などができるのではないかと感じました。
Pythonの知識だけではなく、光や波長といった物理的な知識や計算を用いる部分も多く、それもまた自分の興味関心をワクワクさせてくれる要因でした。
本セッションで学んだ内容は「実際に自分の手でも試してみたい!」と感じるもので、実際に少しずつ手を動かしてキャッチアップをしていこうと考えています。
マイエディタのすすめ
広島で弁護士をされている秦さんのセッションでした。
裁判では書面を多用しており、ほとんどがMicrosoft Wordで作成しています。Linuxユーザーのため、Microsoft Wordが動かない環境だったことや、ファイルごとに異なるデザインの整え方など、編集の手間が多かったそうです。
そこで、Pythonを用いてエディタを作成して、Microsoft Word形式のファイルも開くことができ、Markdownで作成することでデザインを綺麗に保つことができるようになったようです。
自分が欲しい!と思ったアプリケーションをPythonなら簡単に作成することができ、作りたい機能もどんどん追加することができます。仕事の書面もすべて自作のエディタを利用して編集しているとのことで、作ったものが欲しいものとなっているとても素晴らしい発表内容だと感じました。
【招待講演】広島から世界へ ― Pythonで描くデータサイエンスの新しい未来
広島での高校生向けPython教育についてのセッションでした。
データサイエンスに関する教育には三つの課題があります。一つ目は教える人がいない。二つ目は指導方法が確立していない。三つ目は教材の不足。これらの課題を抱えながらも、データサイエンス人材を増やすために教育の中にPythonを取り入れて行われている事例について語られました。
まず、データサイエンスにはビジネス・データサイエンス・データエンジニアリングの三つのスキルセットが必要とされており、それぞれがバランスよく備わっている必要があります。ビジネスの部分には産業界で実際に行う題材をベースにストーリーを持たせ、思考を伴うものとすることで、なかなか導入しにくいビジネスの要素も取り入れやすくなっていました。
例えば、安芸高田市の野生動物の害獣対策として、どこで、どれくらいのシカが捕獲されたか、データ化し可視化することや、カープの試合のデータを利用するなど広島ならではの題材もありました。
データサイエンス人材の増加促進のための教育と広島の地域課題解決に向けた内容がとてもマッチしていて素晴らしい活動だと感じました。
Sprint
3日目はSprintというオフライン開発ミートアップ(他分野ではハッカソンとも呼ばれる)に参加しました。リーダーが持ち寄った開発テーマなどに対して、参加者がやりたいテーマを選んで開発やドキュメント改善、情報収集などを行います。
私は「Python GUI accessibility」というテーマを選び、アクセシビリティに関する開発を行いました。チーム内ではPythonベースのスクリーンリーダーであるNVDAの使い方をキャッチアップしたり、PythonのGUIツールキットであるTkinterで自作したGUIアプリケーションをスクリーンリーダーで音声読み上げされるか確認したりするなど、活動は多岐にわたりました。
私自身はPython自体それほど触ったことがなく、アクセシビリティには興味があるものの、それほど知識があるわけではありませんでした。よって、まずはアクセシビリティとは何かを勉強したのち、Pythonを用いて簡単なアクセシビリティを向上させるためのツールを作成しました。手を使えない方がパソコンの内蔵カメラを用いてマウスカーソルを動かすことができるアプリケーションを、ほぼ9割を生成AIの力を借りて作り上げました。
最後に
先述の通り、Pythonをそれほど使ったことがなかったのですが、参加してみて「Pythonって意外にこういうこともできるんだ!」ということや、「Pythonを使ってこういったことを自分もやってみたい!」と強く感じました。
2日目のKeynoteにもあった通り、今はChatGPTやClaudeといった生成AIの力を使い、わからなくても、ある程度の形にまで持っていくことができます。生成AIの力をフルに使いながらPythonで「自分だけのピース」を作ってみようと思います!